当ブログにご来訪いただき、ありがとうございます。このページでは、栃木県日光市や群馬県沼田市、みどり市にまたがる、袈裟丸山の登山レポートを書いています。2024年4月中旬の情報です。
袈裟丸山はもう皆さんお馴染みの山ですよね!
300名山だけども、はたしてお馴染みでしょうか……
おすすめポイント
袈裟丸山は栃木県日光市や群馬県沼田市、みどり市にまたがる、1878mの山(前袈裟丸山)です。山と高原地図に載っている、袈裟丸ファミリーは小丸山(小袈裟)、前袈裟丸、後袈裟丸、中袈裟、奥袈裟で、最高点は奥袈裟のすぐ北のピークの1961mです。
前袈裟丸から後袈裟丸の鞍部である八反張の風化が進んでおり、通行止めになっているので、折場登山口や塔ノ岳登山口から実質登れるのは前袈裟丸山までです。バリエーションルートとして行かれている方はいるようです。
いつも折場登山口から登っていたので、「穏やかな山」という印象を持っていたのですが、塔ノ沢登山口からだと、荒々しい岩峰や力強い沢の流れを見ることができ、「こんな意外な一面が!」と、さらに好きになりました。(恋?)
個人的におすすめの時期は、これからの5月です。アカヤシオやシロヤシオ、ヤマツツジがかなり綺麗です。お花見ハイクをするなら折場登山口からもおすすめです。
本当だ!ヤマレコの月ごとの山行回数が5月だけギューンって抜きん出てる!
5月以外にも登りたくなるように勝手に宣伝だ!
ルート概要
距離:12.9km 累積標高:1200m 標準コースタイム:7時間35分(休憩含めず)
塔ノ沢コースはピンクテープ以外にも、ケルンが多数あります。一部崩落している部分もありますが、ロープが整備されています。渡渉点も木にテープの目印があります。弓の手コースと合流する、賽の河原からは明瞭な道です。
シカとの遭遇率が高いです!人慣れしていてなかなか逃げません!
コミュ障のあんたのほうが逃げたくなるよね……
駐車場から寝釈迦へ
国道122号(「ワンツーツー」という愛称)の「沢入」という交差点を西に曲がります。こちらが折場と塔ノ沢の分岐点です。トイレと山小屋があります。塔ノ沢登山口に向かうと不動滝という落差15mほどの滝が見えます。
塔ノ沢登山口には私達を含め2台だけです。駐車場は20台ぐらい駐車可能です。このような駐車場がここを含めて3箇所あったので、満車の場合は少し歩きますがそちらに駐車できるようです。
関東ふれあいの道ですが、袈裟丸山までは登らず賽の河原まで行き、折場登山口に下山するコースのようです。登山口にトイレも登山ポストもあります。今回、トイレがなんと山中に3個所もあります。
今日は夫の新しい靴の慣らし履きも兼ねて来ました。なんと2足が同時にソールが剥がれ、接着剤で直しても剥がれ、ついに買いました。3万5千円もする靴です。AKUの幅広甲高の足型に対応したモデルで男女兼用です。夫は23cmと足が小さめで、男性用サイズだと展開がなかったりしたので、ありがたがっていました。
歩き始めは林道のような軽く舗装された道を歩きます。右側にはもう沢が見えてきました。
ジェンガのようにピタッと積まれた面白い岩場です。1つ抜いたものなら崩れるのでしょうか。時々、道の上に洒落にならない大きさの岩があるので、自然の均衡を崩さないよう通過します。
立派な橋があります。左岸に渡ります。左の岩場もすごく面白いです。今回これが見れただけで満足。
堰が連続してあります。
右岸に見えるのは要塞のような岩壁。袈裟丸山の意外な荒々しさを目の当たりにしました。
沢ルートは崩壊などで、道が狭くなっていたりする場合もありますが、塔ノ沢コースはかなり道幅広めで安心して歩けます。
今度は右岸に渡ります。立派な橋で安心です。
中洲に身を寄せて生えています。石裂山の千本かつらを思い起こしましたが、樹齢は全然若そうな感じです。
右岸も歩きやすいです。沢と付かず離れずな道なので、ずっと沢の景色を見ていられます。
橋が沢に飲み込まれてしまいました。苔が生えていて滑るので、素直に橋の左側から渡渉します。
寝釈迦まで徒歩10分の標識です。
寝釈迦の手前は木の階段があるのですが、崩れて途切れてしまっていたので、尾根にある看板を目印に登っていきました。 「寝釈迦」と、大きく書いてあるので分かりやすいです。
寝釈迦までは登りやすく整備されています。登ったところには、小さな石仏が何体かありました。
寝釈迦の迫力は抜群です。こんなに大きいとは思いませんでした。2.5〜3m弱ぐらいでしょうか。行道山の寝釈迦をイメージしていました。大きな岩を彫って作られています。
寝釈迦を彫った方やそれにまつわる伝説は諸説あるようです。誰が何のために掘ったのかははっきりとは分かっていないようです。今の整備された登山道で1時間ほどかかる道を、何日通えばこれを彫れるのでしょうか。
寝釈迦から賽の河原へ
寝釈迦の先にはベンチがあり(写真撮り忘れ)休憩できます。関東ふれあいの道の立派な標識も、まだ新しい感じです。
トイレがドアがなくて丸見えなのもご愛嬌ということで。私は全然気にしなかったのですが、夫に「よくそんなところでできるね」と、軽く引かれました。
定かではないのですが、これが寝釈迦と一緒に説明にあった、相輪塔だと思われます。他を探しても、塔と呼べるものが見当たりませんでした。
寝釈迦からは若干道が分かりにくいかもしれませんが、このようにピンクテープ(写真は赤)やケルンはあります。大きく沢から離れないようにします。
渡渉点には必ずピンクテープがあります。左岸に行ったり右岸に行ったします。正直、渡渉しなくても崖で突き当たりとかではないので、慣れている方なら突破できそうな感じではあります。
道は相変わらず広くて低めでいいですね。高くて細いと「沢に落ちる!」と、ビビリ散らかしますから。
実はここは1つ左の沢に行ってしまいそうになりましたが、この関東ふれあいの道の標識が見えて軌道修正できました。
このあたりは少し崩れてしまっていますね。ここから少しの間、崩れゾーンが続きます。
こちらも崩れてしまっていて、そこにトラロープが整備されています。
ちょっと見にくいのですが、トラロープが木々の間に張り巡らされています。おそらく以前は下に正規の道があったようですが、そこが崩れて今はこちらの道を通るようになっています。 道の具合からも崩れてから数年は経ってると思います。
楽しかった沢とお別れして、賽の河原のある尾根を目指します。木の階段が時々ありますが、ずっとある訳ではありません。
立派な避難小屋がありました。奥の建物は古いようですが、手前の建物は新しいです。トイレも別にありますが、固定していたワイヤーが切れており、傾いていて使用不能です。
避難小屋の中は布団まであります!ありがたい!
ついに賽の河原に出ました。折場登山口からの弓の手コースと合流です。賽の河原はみんなで作るアート作品のような感じで、つい石を積みたくなります。
賽の河原から袈裟丸山(前袈裟丸山)へ
尾根に出てからはまず1607峰を目指します。緩やかな登りです。これは小丸山とかっていう名前がないのですね。袈裟丸ファミリーに入れてもいい気がするけど。
緩やかに登っていきます。 弓の手コース合流してからは、かなり道が明瞭になりました。
1607峰に到着しました。山名板はなさそうです。
賽の河原っぽいものがまた!皆さん、石積みのバランス感覚すごすぎです!
小丸山に向かいます。こちらは1607峰よりも穏やかな登りです。真ん中が水の浸食(なのか?)で歩きづらいので、端のほうを歩きました。
小丸山(小袈裟)に到着しました。標高は1676mです。小丸山は展望が良いです。
袈裟丸ファミリーです。左から前袈裟丸山、後袈裟丸山、中袈裟、奥袈裟です。奥袈裟のすぐ右の1961峰が最高峰です。1961峰には山と高原地図上では山名の表記がなく、「最高点」とあるだけです。
小丸山からは進行方向を変えて西に向かいます。この辺りは風がないです。
避難小屋とトイレがあります。行きでは他パーティが休憩していたため、帰りに撮ったものです。奥袈裟まで行く場合はここに泊まったりするのかもしれないです。
このあたりの木はダケカンバというらしいです。シラカバだと思っていました。落葉しているので前袈裟丸山がバッチリ見えます。
前袈裟丸に近づくにつれて雪が少し残っている箇所があります。
木の根の急登にはロープがあります。雪を踏んだ靴で木の根を踏むと滑りやすいです。
岩場はこの1箇所だけでした。ロープもあるので安心です。
南西に伸びる尾根と合流したあたりから展望が開けてきます。南西方面に赤城山が見えます。
北東方面には備前楯山、中倉山、沢入山が見えます。奥の高い山は社山でしょうか。皇海山は真北なので見えないですね。
気持ちのいい穏やかな尾根です。前掛山同様にここも「ウイニングロード」と呼びたい。
前袈裟丸山に到着しました。山頂は広いのですが、この日は風が強かったので、すぐに下山しました。
まとめ
塔ノ沢コースは初めてだったけど楽しい!やっぱ沢ルートいいよね!
今回は細くて高い道がなかったようでよかった!
でも、ぽてはバランス感覚皆無だから渡渉はヒヤヒヤする!
渡渉の時、石をポンポンと跳んで渡るのに憧れるのですが、バランス感覚がないのでストック使いまくってなんとか渡渉しています笑
多分、賽の河原で石を積んでも、バランス感覚ないので他の石を巻き込んで崩しそうなのでやめました。(鬼じゃないか)
5月に入れば袈裟丸山のいい時期が来ます。折場登山口からでは物足りない方、沢コースが好きな方はぜひ塔ノ沢コースに行ってみてください。