当このブログにご来訪いただき、ありがとうございます。このページでは筆者が登山を始めた経緯から、メンタルを守るための考え方や工夫、ストレスコーピングについて書いています。
そもそも登山と対極にいたのに、なんで始めたの?
昼寝が趣味で超インドアで、ぬいぐるみだけが友達で……
わぁ!あんまり言わないで〜!
最初はピクニックに行ったのがきっかけだったんだよ!
登山を始めるきっかけ
そこそこ山に囲まれている地域に住んでいながら、私の人生の前半戦に「山」という文字はほぼなく、「山と海はどちらだ好き?」と聞かれたら、「海!」と即答していたでしょう。
そんなある日、夫(当時は彼氏)と、お弁当を作ってどこかに出かける話になりました。せっかくならロープウェイのある山の山頂で食べるにしました。
その山はロープウェイを使わなくても25分ほどで登れる山で、5月でポカポカ陽気だったので、登ってみることにしました。当時の私の足では1時間ほどかかりました。
新緑の中、時々キラキラと木々の間から差す日が綺麗だった!
今でも紅葉より新緑が好きだよ!
紅葉は綺麗だけど、冬に向かう物悲しさや哀愁も感じてしまうよね。
新緑の時期は、自然の生き生きとした活力をもらえる感じ。
登山の最初の課題
登山を始めて、まず初心者の方がぶち当たる課題は「早起き」です!
元々が朝型の生活リズムの人なら、そこまでの苦労はないと思いますが、その頃の私は夜12時就寝ぐらいのやや夜型の生活リズムでした。また、双極性障害には症状として 睡眠障害(私の場合は入眠困難や中途覚醒)があるので、早起きは至難の技でした。
最初の頃は、9時に起きても行ける近場の低山によく行きました。地方なので、〇〇山公園といったハイキングスポットは多くありました。
最初は辛かった!起きられなくて中止も何度もあったよ!
日内変動で午後になれば調子がよくなるのに、朝は絶不調だったり……
無理しなかったから、逆によかったんじゃない?
早起きのせいで登山嫌いになりそうじゃん!
生活リズムを変えていく
近場の低山なら3時間程度で登って降りて来られるので、しばらくはよかったのですが、それ以上の山行時間の山を目指すとなると、早起きは必須でした。
早起きをしたいという思いから、普段からも少しずつ早く寝るようになりました。最初は慣れなかった早起きも本当に1分刻みぐらいの体感で、少しずつ起きれるようになっていきました。
「すぐに急激に」は難しいけど、「ゆっくり少しずつ」は継続しやすい!
不眠や過眠が続く期間は、早起きにとらわれないで諦めてた!
自分のコントロール外のことは諦めちゃおう!
諦めも大事!
自分の意外な強みを知る
ここでやっと早起きができるようになり、本格的な登山のスタート地点に立てましたが、それと同時に大きな不安に襲われました。
私は躁で時々無双してしまいますが、基本的に臆病で変化を好まず、怖がりで心配性です。また、よく父から「鉄の橋を叩いて渡るタイプだ」とも言われていました。
しかし、この気質は登山と相性が良いです。
逆に勇敢で変化に富むのが好きで、大胆で楽天的だと、よほどの経験と技術の裏付けがない限り、事故や遭難のリスクが高いです。
怖がりで心配性なことは、悪いことと捉えられがちだけど、私はこれを逆手に取ってるよ!
「もしも」というシナリオを具体的に考えることで、それに備えた計画を練れる!
心配のスペシャリストが考えた計画は、確かに安心感がありそう!
自分との約束を決めておく
私は初心者の時はそこまで感じませんでしたが、途中からどうしようもない壁にぶつかり、「自分との約束を決めよう」と、強く考えるようにしました。
どうして途中から壁にぶつかったのかというと、 初心者からステップアップするにつれて、体力や技術はもちろんですが、メンタルの強さや対応力なども要求されるのです。
あなた、メンタル弱いのでお馴染みなのに……
だからこそ、メンタルを守るための約束を作ったよ!
人と比べない
基本中の基本ですが、これは成果もやり方も考え方も、全てにおいて人と比べないようにしました。
というのも、登山をする方の多数派は、健常な方の中でもパワフルな方々が多いです。中には体育会系の考え方の方もいます。登山がなければ接点もなかった方々です。
そもそも、生きている前提が違いますから、 比べてもきっと劣るところを探してしまい、自分はダメだと追い詰めてしまうだけです。
時間がかかるなら、時間をかけてもいいし、自分なりのやり方で自分のペースでやればいい!
「こちとら前例のないことやってんだ!てやんでい!」ぐらいの気持ちでね!
一緒に行く登山仲間を作らない
登山2年目ぐらいまで、初心者同士ではありますが、夫と2人で行くがベースでした。3年目ぐらいから登山を通じて知り合った方と行く機会も増え、そういう方から山岳会に誘われたりして、一気に交友関係が広がりました。
もうご想像がつくと思いますが、躁うつの振れ幅がどんどん大きくなっていきました。
山行の日に体調の照準を合わせなければならない、普通の人を装わなければならないといったプレッシャーは、お助け躁(ピンチの時に躁で乗り切ろうとする私のクセ)を呼びました。そして、その後に長いうつに突入し、結局は関係が切れてしまうというのを繰り返していました。
しかし、2020年に転機が・・・
新型コロナが流行し、人と会わなくなると、躁とうつが振れ幅が小さくなりました。それを機に、登山も夫と行くか、1人で行くかに切り替えました。そのころから、人間関係ミニマリストを目指すようになりました。
人間関係ミニマリスト!?ただの友達いないやつじゃん!
ああ、そうさ!人間関係を作ると、荒波に揉まれるじゃん!
生きやすさを優先したっていいじゃん!
普段から落ち着くことを準備しておく
これがめちゃくちゃ山で役に立ちます!
私の場合、瞑想のような深呼吸を普段からできるようにしておく、 小さなぬいぐるみをリュックに付けておく、緊張した時にペロっと舌を出す、飲み物の飲む、行動を実況解説するなど、いろいろあります。
こういうストレスへの対処、対応を「コーピング」 と呼んだりもします。
コーピングは種類があればあるほど、いろいろな場面で「これがダメならこれだ!」と使えますが、普段からやっていないと、効き目が薄いように感じます。
最初は人のコーピングを真似して、自分に合うのを探してみるのもいいよね!
私のも半分ぐらいは人から聞いたものだよ!
緊張する場面もあるだろうから、事前に備えておくわけね!
登山計画は具体的に、そして撤退歓迎で
以前、他の方と行っていた時は、そこまで登山計画について考えていませんでした。連れて行ってくれるリーダー的な方について行けばいいんだと思っていたぐらいでした。
他の方と行かなくなるようになると、意識は全く変わりました。 そして、いつの間にか計画を立てるのが楽しくなりました。
上記にも書きましたが、心配性の本領を発揮し、「ここでこうなったらこうする」を考えます。不安というのは、何もしないとモヤモヤするだけですが、移す行動を具体的に考えると軽減します。
また、撤退する条件、撤退時のエスケープルート、それぞれの地点の通過時間も具体的に詳細に書くと、安心材料が増えます。「撤退ありき」どころか、「撤退歓迎」で山に行きます。
「いつでも撤退できる」と思うと気が楽だし、実際に撤退するときも悔いがないよ!
「せっかくここまで来たんだから」って思いが、危ない時もあるね!
まとめ
私が登山を始めた経緯から、メンタルを守るための考え方や工夫、ストレスコーピングについて書いてみました。
他の方と一緒に登山に行かないというのは、少々極端に思われるかもしれませんが、今の私にとっては、それが最善の策だと思っています。これから変わる可能性もあります。
メンタルの疾患を抱える方にも、登山がチャレンジしやすいものであって欲しいと、そして、そうしてチャレンジしてきた方の一側面を見ただけで「向いてない」などと否定しないで欲しいと、このブログで叫んでみるのが私のできる精一杯のことです。
このページのトップ画像は、栃木県日光市にある、中倉山に稜線にある孤高のブナの木の写真です。(4月撮影)中倉山は、かつて足尾銅山での採掘活動の影響で、大気汚染や鉱毒にさらされてきました。中倉山や隣接する沢入山の稜線上では、植生が乏しいエリアやそれにより崩壊が発生している箇所も見受けられますが、それでもなお立ち向かっているブナの木は、生命力の強さを物語っている気がします。